FT書房はゲームブックを専門に制作する出版社です。


FT書房


電話番号0754323768


想像の、旅に出よう






お楽しみ記事

FT新聞にはもっともっとたくさんのコーナーが有ります。
毎日、どんな記事が届くのかわからなくて、ドキドキ。
サイコロを振って出た目のような、お楽しみの記事。

ファンタジー映画?
ゲームブック業界裏話?
ゲームブックリプレイに、旅行記なんかも。



何が飛び出すかわからない、お楽しみ記事のコーナーは、
FT書房のメンバー全員で書いています。



JKからだぞ、龍之介!:No.3 女子高生

FT書房ってどんなとこ?:No.9 杉本=ヨハネインタビュー

没になった者たち:No.15 FT作品ウラ話

ホビット:No.61 ファンタジー映画村

ゲド〜戦いの始まり〜:No.175 ファンタジー映画村




 


JKからだぞ、龍之介!


From:清水 龍之介
午後7時、枚方のスタバより……



■女子高生からだぞ!


ちょっと前、ファンの方からメールを頂きました。


ボスにあられるところの杉本=ヨハネが
「女子高生からだぞ、良かったな、龍之介」
とおっしゃるんです。
もう、なんというか、『興奮』してしまいますよね。


こう−ふん【興奮】[名](スル)
1.感情が高ぶること。「―をもてあます」「―状態」
2.気分が病的に高揚した状態。アルコールの急性中毒や躁病(そうびょう)の患者などに認められる。


あ、なるほど。
2でおねがいします。


さて、ファンレターの内容も素晴らしくて、


「『断頭台の迷宮』を遊びました。
とてもおもしろかったです。
ほかの作品もやってみたいと思いました」


と、とてもひかえめな感じの乙女なのですよ。
ぜひほかの作品もやってくださいと。
何なら私が手取り足取り教えますと。


万人の例に漏れず、
僕もこういう人が大こうぶつ……
大好きです。


で、ボスですよ。
「女子高生からだぞ、良かったな、龍之介」
とおっしゃいます。


分かりますか。
この、ボスのパスが。あなたには見えますか。


「女子高生だぞ、さあ、どうくる龍之介」
と、いうことなんです。
こう来れば僕もとうぜん、こう返すしかないんです。


「おお、お返事に、がぜん力が入るな!」


素晴らしい。
結構なおてまえです。
嫌味もなく、さらっとしていますね。
たぶん模範解答ですよね。



■青天の霹靂


さあて、ワタクシ、不肖、清水龍之介の、
素晴らしい回答を聞いたボスの反応は。





「その態度は危険だ。
返事はこちらで書いておく。
まったく……
油断も隙もないとはこのことだ」





えっ!?


なんということでしょう。
キラーパスを受けたと思ったら、
それはトラップだったのです。
ウマイ。


いやいや、ウマイこと言ってる場合じゃない。
なんで僕が怒られているのだ。
おかしいおかしい。正解が見えてこない。


じゃあ、なにか。


「女子高生からだぞ! 良かったな」
と、いわれたら、
「けしからん! 破り捨てなさい」
とでも答えろっていうのか。
そんなやつのほうが危険じゃないか。


ね。いいですか。
万事が万事、こういう扱いなんですよ。
すけべい代表。清水龍之介ですよ。
グレるぞ、全く。



■スティーブ・ジャクソンの遺伝子


しかし、この「予想外」こそが、
ゲームブックを作る男の思考なんです。


ゲームブックなど、アドベンチャーゲームでは、
読者の頭の中の、「パターンを裏切る」ことが
とっても大事な考え方となります。


――
老婆は君に金貨をすこし恵んでほしいと言った。
君は老婆に金貨をやるか?(XXへ)
それとも、断って先へ進むか?(XXへ)
――


これは、ゲームブックの開祖、
スティーブ・ジャクソン(英)が得意とする
「裏切りパターン」です。


ふつう、RPGを知っているプレイヤーなら
「老婆に優しくすればいい事がある」と知っているし、
「よし、金貨を恵んでやればフラグが立つぞ」
なんて裏読みしたりします。


老婆はあなたに何度も感謝の言葉をのべて、
物語は先へ進みます。
そして、あなたはしばらく遊んだあと、
ハタと気が付きます。


「お返しが、ない……」


そうです。
スティーブはお返しを用意していません。
ハズレなのです。
というより、老婆に感謝されたことがお返しです。


でも、プレイヤーならアイテムや運点の回復、
最低でも情報くらいは欲しいですよね。
スティーブがそんなあなたのスケベ心を見て、
クスクス笑っている姿が目に浮かびます。


ボス曰く、
「スティーブはムキにさせる天才」。


スティーブの手にかかると、
どんなに単純に見える物語でも、まったく気の抜けない、
手に汗握る、ハラハラドキドキの冒険に変身します。



■「あなた、犯人?」「うん」「おわり」


僕らがよくやる失敗は、ファンタジーの「お約束」を
成り立たせることに力を入れるあまり、
意外性のない展開を作ってしまうことです。


・森で動物を助けると妖精などが現れて感謝する
・困っている人を助けるといいことがある
・何かありそうなところを調べるとトクをする


これらの「お約束」は、小説や映画の世界では、
読者・視聴者が望む展開。
いわゆる「おしてほしいツボ」のようなものです。


日常生活でそんな展開はなかなかないから、
たまにそこをおしてもらうとすごく気持ちがいい。
この、鬱憤(うっぷん)を綺麗に浄化してあげることを
「カタルシス」といい、すごく効果的な物語の手法です。


でも、それを、ゲームブックなど、
アドベンチャーゲームでやるとどうなるか?


パターン通りの回答でスイスイ進む。
思ったとおりに遊べば、クリア。
まるで、答えのわかっているクイズをしているよう。


まるで、迷路を遊んでいるのに、出口の方向に進んだら、
そのままクリアしてしまった……というカンジ。


これでは、よっぽど上手に物語を構築しないと、
「ゲーム」を楽しみにしていたプレイヤーを
満足させることはできませんよね。



■「ゲームブックのカタルシス」とは?


スティーブのウマイところは、
ハズレの選択肢が我々の裏を書きながら、
理にかなっているところです。


先の例で言うと、
「いい事をしても返ってくるとは限らないでしょ」
という、常識を突きつけてくる。
スティーブの意図が明白すぎて、
まるで彼の声が聞こえてくるかのようです。
「当たり前じゃん!w」


クヤシイ……!!


あっ! と驚いてももう遅い。罠に気づいて、
「くっそぉ〜〜〜!!」
と叫び、布団の上を転げまわってしまう。


そう、ゲームブックなど
アドベンチャーゲームを作る我々にとって、
この「裏切り」のスマートさが、
専門家と呼ばれるかどうかの
ひとつのものさしでもあります。


あなたは我々のゲームブックの、
さりげない「予想外」に気づくことができるでしょうか?
そんなところにも目を向けて遊んでくれたら、
楽しさが倍増するかも!?


もしあなたがクリエイターなら、
ぜひ、スティーブや、うちのボスのように、
「スマートな裏切り」を目指しましょう。


――清水龍之介


P.S.
ん? ボスのはスマートなのでしょうか、、、


P.P.S
僕は女子高生に喜んだのではなく、
ファンレターに喜んだわけなのです。
だから、男性のファンのかたも、
今後ともよろしくお願いします!笑






 


FT書房ってどんなとこ?


「そもそもFT書房ってどんなところ?」


「杉本=ヨハネってどんな人?」


という疑問は、メルマガ読者の方々も、多かれ少なかれお持ちではないでしょうか?
というわけでこのシリーズは、杉本=ヨハネ本人のインタビューを通して、FT書房の全容を解明していこうという企画でございます。
FT書房メンバーの一人、清水龍之介がインタビュアーとして深く切り込んでいく様子をお楽しみ下さい!


『第一弾 〜FT書房のメンバーについて〜』


――FT書房とは一体どのようなグループなのですか?


元々は同志社大学のサークルのメンバーに僕が声をかけて作ったグループです。
執筆者の清水や、編集の中野などは後から入ったメンバーですね。


――最初は何人だったのですか?


最初は11人で、現在は13名です。


――多いですね。  


そうですね。サークル自体のメンバーが40人くらいいて、「お、こいつはこういう力があるな」と思ったメンバーや、僕が作るようなゲームが単に好きっていう人間をピックアップして、「もうすでにメンバーだからね」という感じで半ば強制的に決めてしまいました(笑)


――メンバーが13人もいると、まとめるのが大変なのではないでしょうか?


基本的にはみんなやる気が高いので、まとめるというよりは、「それぞれがやることをやる」というスタンスをとっています。
もともとの雰囲気もそうですし、そうなった背景に、作品を多く作っていく中で、分業が進んでいったというのもあります。
ゲームブックというのは、本でもあり、ゲームでもあるために、制作には時間と労力がかかります。
まかせた作業に対する決定自体を、その担当にあたる人間に、どんどんまかせていきます。
そうすると、それぞれが勝手にやりたいことをやって、収拾がつかない、ということになってしまうと思われがちなんですけれど、
うちの場合は、そのそれぞれのメンバーができるだけ全体の形が収まるように、しっかりと考えて且つ、自分の個性を出す、
という両立を考えた作品作りを心がけるようになっていて、アンバランスな作品にはなっていないと少なくとも思っています。


――ということは、担当者それぞれが一つの作者であるということでしょうか?


はい。そういう考えを持っております。一人の執筆者が統括して、「ああしてほしい、こうしてほしい」というスタイルもあると思うのですが、それよりも一人一人のスペシャリストが、例えば、「編集のほうは俺にまかせとけ」といった感じでそれぞれがレベルの高いものを作り、
「清水がこういうものを好むから、これを取り入れてみよう」というやり方のほうが、最終的にはレベルの高いもの、また清水自身がこうしてほしいといったものよりも、レベルの高いものに落ち着くと思いますし、そういうスタイルを目指しています。


――なるほど。それはつまり、作家が編集をすべてできるわけではないし、それぞれの分野でそれぞれの担当が最大限の強みの活かして編集されたものが商品になるわけですからね。


そうですね。


――メンバーたくさんいますが、どのようなメンバーなのでしょうか?


執筆者が3人、挿絵を描く人間が2人、編集が2人、他には製作担当、郵送担当、売り子担当なんかもいますね。


――執筆者3人というのは、出している作品に対して少ないように思うのですが、レギュラーのメンバーが3人ということでしょうか?


はい、そうです。わたくし杉本に、清水龍之介、ロア=スペイダーが、レギュラーの3人ですね。作品の数は、現在23作出しているんですが、そんなに多いとは感じないですね。


――3名以外の執筆者はいるのですか?


そういったケースも多少あります。でもそのケースに関しては、これまでというよりむしろこれからで、何人かの新人作家に声をかけ、作品の準備は進んでおりまして、もちろんある程度のレベル以上の作品にならないとこちらとしても出す気はないので、こういう風にしていこうと提案をして、いいものを作ろうと、レベルアップしているところですね。


――なるほど。何か選考の基準みたいなものはあるのでしょうか?


もちろんあります。作品作りにおいて、もともとこういう色で出そうという、「基準にあったものでなくてはならない」という点もありますし、だからといって完全にその色に染まってしまうような人間も必要ないと思っています。わがままなのかも知れませんが(笑)
自分の個性を持ちつつ、FT書房独特の色合いにも沿っているという、二つの両立ですね。


――難しいですね。


そうですね。最初からそこまでわかっている人は少ないので、やはり私たちと話し合いながら、その雰囲気をつかんでいってもらうというのが最初の作業になってくると思います。


――後発の方々について伺いたいのですが、どういう基準で選ばれたのでしょうか?


僕が「この人は!」と思っている人間は、何かゲームブック以外の分野で大きな成果、あるいは、私自身が「あ、これはいいな」と思うモノを、見せている人というのが大いにあります。
清水龍之介もそうですけれど、声をかけたメンバーのうちの一人は、名前は出せないのですがプロのイラストレーターの方で、大きな会社でイラストを仕上げていらっしゃるような方で、
商業的に売れる商品がどのようなものであるかとか、どういう能力を発揮しなければ作品という物がある程度のラインを超えることができないか、ということを非常によく把握していらっしゃるので、作品作りはスムーズにいきます。


――その方は絵描きとして参加しているのでしょうか?


いえ、違います。執筆者としてですね。絵描きとしてはもうかなりのお金を払って頼むことになりそうなので(笑)


〜第二弾に続く〜


編集:なかの





 


没になった者たち


 皆さんこんにちは、FT書房の杉本です。今回はFT書房がどんな活動をしているのか、世に出なかった作品、いつ出るか見通しの立たない作品群について、ご紹介します。


 いつ出るか分からない作品の代表といえば【昆虫都市】ですが、これの話はとりあえず置いといてください。この作品は少しずつ前進してはいるものの、HUGO HALL氏とワタクシ杉本の作品に対するアプローチが異なるため、なかなか大きくは進まない性質を持っています。最近では「FT書房の出る出る詐欺だ」なんて、某同人ゲームブック作家(お〜もりさんですね)にネタにされたりしています。盛り上がってる場合じゃないぞ、杉本。


 皆さんがほとんど知らないペンディング作品の代表は、トンネルズ&トロールズ公式ソロ・アドベンチャー(未訳)の翻訳作品群でしょう。これはライター、翻訳家、評論家として有名な岡和田晃氏と協力し、ロール&ロールをはじめとするTRPG雑誌に持ち込もうとした企画でした。T&T第7版が発売してからしばらくした時期のことで、多少なりとトンネルズ&トロールズが時代の脚光を浴びていたため、多少の期待感はありました。しかし、残念ながら企画はボツ。私たちの手もとには大量の翻訳した作品の群れだけが残りました。
  岡和田氏は非常に精力的な人物で、それでも企画を通す二の矢三の矢を考案し、あきらめず、労を惜しまず次の方法を考えていました。しかし、私はそれらの翻訳に非常に多くの時間を費やす間、あまりにも自分たちの作品を進められなかったFT書房の長としては、一緒に企画書を立てるだけの労力をそれ以上割くことができず、T&Tの未訳ソロ・アドベンチャーは今も私のパソコン内で静かに眠っています。


 別のペンディング作品で思い出深いのは、カオスダイスです。【混沌の迷宮】を書き上げた際、同時に販売しようと考えていたサイコロで、サイコロのカタチが少しいびつな、内部に空洞のあるサイコロでした。これは敢えてサイコロの出目が偏って作られていて、基本的には1と5と6がよく出るようになっている、刺激的なサイコロでした。作品中に登場するはずだった「混沌剣」を使う際に振ることができるものでした。平均値としては強い目が出るように作られた、魔法の剣の強さと混沌を、出目とカタチで表現したサイコロだったのです。
  試作品はとても素晴らしいもので、自分でも300円ぐらいは出したくなるものだったのですが、1個を作るのに何十分もかかるという問題点がありました。これを解決するため、シリコンで制作を考えたのですが、カタチのいびつさという魅力がそのまま負荷への弱さにつながり、実用に耐え得るものが制作できませんでした。結局、十数万円をかけて考案した作品はボツになりました。泣ける。


 代表的なペンディング作品では、トレカ番長作【ヘカテーの館】やロア・スペイダー作【大魔導城のとりこ】などがあります。どちらも100パラシリーズです。100パラシリーズは簡単に書けそうに見えるせいか、意外にペンディング作品が多く存在します。【ヘカテーの館】【大魔導城のとりこ】どちらも仕事の都合(忙しい部署に配属されてしまった)が原因です。トレカ番長は【ウォー・ロック・クロニクル】の執筆を最優先することを決めていますし、ロアも400パラグラフ作品を優先的に書く方針でいますので、これらは致し方ありません。【大魔導城のとりこ】はあまり期待できませんが、【ヘカテーの館】に関しては、「忙しくなくなったら書きたい」と、トレカ番長は意欲を漏らしています。中世の古びた館で繰り広げられるホラーもの、『地獄の館』を思わせる雰囲気のある作品(に仕上がる予定)です。


 余談ですがFT書房でペンディング作品として扱われているのは【ヘカテーの館】【大魔導城のとりこ】です。【オーパーツ・ゲーム】【昆虫都市】などは少し制作が遅れていますが、ペンディング作品に分類されていません。優先的に現在取り組む予定があるのは【暁の潜入者】【廃城の秘宝】【天空都市ジョルク】です。題名は未定ですが、清水龍之介が【悪魔召喚シリーズ】の第3弾と、グラディエーターもののゲームブックの制作に取り組んでいます。


それでは、また。



 


ホビット


こんにちは、杉本です。


今回は新シリーズ、「杉本=ヨハネのオススメ映画村」です。


実は私、ものすごい映画好きでして。
それも家族そろってで、実家にあるDVDの数は軽く2000本以上です。
映画サークルに所属していたこともあって、かなり詳しいんです。


さて、記念すべき第1回のオススメ映画は、昨年末に公開された「ホビット」です。


この作品はファンタジー映画の名作「ロード・オブ・ザ・リング」の前章となるものです。古典的名作として名高い「ロード・オブ・ザ・リング」を観たことのない人でも、まったく問題なく楽しめる作品です。


「ロード・オブ・ザ・リング」はファンタジーの古典的名作「指輪物語」を原作に作られた映画でした。この作品も映画としては非常に大きな成功を収めましたが、名作であるがゆえの難点もいくつかありました。
まず、アメリカを中心として原作ファンが非常に多いため、原作にどれだけ忠実であるかが大きく注目された点。
次に、その原作の情報量が非常に多く、分量的に3回分の映画に収まらないほどであった点。


その2点により、3時間の長丁場の間ずっと大量の情報が入ってくる仕上がりになっています。
それでも、私は中学生の頃から「指輪物語」のファンだったので大感動でしたが、ファンタジーにそこまで思い入れのない映画サークルのメンバーなどからは「ちょっと疲れた」という意見を聞きました。


この点、「ホビット」は気楽です。
1冊の本を3部作に分けたので内容的には「ロード・オブ・ザ・リング」よりも、アクションにしっかりと体重を乗せた作品に仕上がっています。
世界を担う「重い使命」ではなく、宝探しという「胸躍る冒険」の匂いに溢れています。
コミカルなノリがあり、全体にユーモアが溢れています。


このユーモア感について少々。
「ホビット」の監督はピーター・ジャクソンと思われていますが、実は最初は違ったのです。ギレルモ・デル・トロという、別の人物が就任していました。この人物は「パンズ・ラビリンス」「カンフーパンダ2」などに関わったことで有名で、「パンズ・ラビリンス」のダーク・ファンタジーは一見の価値があります。
彼が一度「ホビット」を手がけた関係で、「ホビット」にはピーター・ジャクソンが最初から監督をしていたら出なかったであろう、「ギレルモ臭」がそこかしこに残っています。光が当たりながら禍々しさを感じてしまう不思議な陰影。しかし、それは重苦しいものではなく、ときにコミカルさ、ユーモアさえ感じさせる。このピーター・ジャクソンにはない味が添えられているのは、デル・トロの功績でしょう。彼は監督を降板後も脚本家として残っていますから、第二部以降もこの良さは残るでしょう。


「ホビット」は、ファンタジーを知らない人と一緒に観るのも難しくない、そんな映画になっています。
「ロード・オブ・ザ・リング」の鑑賞はがんばりきれなかったという方にも、自信をもってオススメできる作品です。
DVD化されたら、ぜひ借りてご覧ください。


それではまた。




 


ゲド〜戦いの始まり〜


From:清水龍之介
大阪は枚方のスターバックスより、、、


待った!!!


まだメールボックスは閉じないで下さい。
あのアニメ映画ではありません!!


と、いうわけで。


ル=グウィン原作の洋画、
実写版「ゲド戦記」の映画評です。



■ゲド戦記? ああ、アレね


「ゲド? 駄作でしょう」
そんな風に思っていた時期が、僕にもありました。


日本では、最も影響力のあるアニメ映画監督の
息子がセンセーショナルに大コケしたお陰で、
「ゲド戦記」の評価はひどく低いと思います。


でも僕だって、物語を書く身。


「ロード・オブ・ザ・リング」を見て、
「指輪物語」が分かったような気になるのは、
ただのミーハーだと、僕は思っています。


だから、元の小説はどんなもんかと、
軽い気持ちでボスとトレカ番長に聞きました。


「名作中の名作だよ!」


二人は一気にヒートアップして
僕に「ゲド戦記」の魅力を伝えてきます。


「ゲド戦記は1巻が一番面白い。
もう、神話の域と言われているくらいだ。
評価も高いよ」


ボスは言いました。ほうほう。2巻は?


「あくまで世間的な評価として聞いてくれ。
ゲド戦記は1巻で名作中の名作の栄誉を得た。ところが2巻で凡作になり、3巻で駄作……」


「あらら……」


「そして4巻で作品に泥を塗った、と言われている」


「だめじゃん」


「そして、あのアニメ映画は、駄作といわれている3巻を描いたものだ」


「なぜ」


「しらん。好きなんじゃない」


「へ、へー(汗)」ヽ(;´Д`)ノ ランタ タンタン♪


僕は残念でなりませんでした。
なぜ、神話の域に達した1巻を映画にしないのでしょうか。


全く。
宮崎駿の息子なのに、何もわかってないな、
宮崎吾朗。



■神話、発見!!


ところが、見つけてしまったんです!
ファンタジーの映画を探していたら、
偶然、ひょっこり、こんな映画を!!


------------------------------------------------------------
      『ゲド〜戦いのはじまり〜』
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「えっ!!」


表紙は、バッチリ。
アニメ映画でなくて、実写。
ファンタジーの雰囲気、たっぷり。


急いで手にとって、裏を確認します。
何巻をベースにしているのか!?


『原作1、2巻をベースに……』


……


き……


キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


完全にレンタル。
もう、骨の髄までレンタルです。
レンタルしたものを、さらにレンタル。(?)


すぐに借りてきて、一人映画鑑賞会。
ワクワクテカテカ。


 +   +
  ∧_∧ +
  (0゜・∀・) ワクワク
  (0゚ つと) +テカテカ
  と__)__)  +


 



■龍之介、号泣!


ハッキリ言って、オヌヌメ。
まだ見てないならすぐ見てほしい。
ファンタジーの映画が好きなら、絶対いける。


超硬派ファンタジーの舞台、
繊細に、精密に組み立てられたストーリー。


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鍛冶屋の息子ゲドは、
偉大な魔法使いオジオンに見出され、
本格的な魔法を習うことになる。


才能あふれる高慢なゲドは、
魔法の失敗で自分の影を呼び出してしまい、
最悪の魔物に命を狙われる事となる。


影を倒すための鍵はただひとつ。
「真の名」(まことのな)を知ること。
だが、それはどうすればいい……?
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序盤から終盤まで、
息つく暇のない名シーンばかり。


特に、ラストの影との戦いは最高でした。
不覚にも、僕はあまりに素晴らしさに、
涙を流してしまったほどです。
(実はよく泣くけど、、、)


俳優も上手く、のめり込めます。
見つけたら、ぜひレンタルに次ぐレンタルを。


――清水=スパロウホーク=龍之介


P.S.
レンタルしすぎた……





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