FT書房はゲームブックを専門に制作する出版社です。

FT書房

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想像の、旅に出よう




ゲームブック
ミラー・ドール

若き王エドガーの意を汲み、未開の島に足を踏み入れる冒険者。
親書を携えて行くは、使者というにはあまりにも過酷な旅路。
巨木に見下ろされながら旅を続け、やがて君は奇怪な巨大生物に遭遇する。
わずかな手がかりと根拠にすがるように、背負い袋を探る。
何を取り出すか、それだけにすべてがかかっているのだ……。

発売日:2008年5月5日(月)

項目数:400
著者:杉本ヨハネ
表紙絵:HUGO=HALL
挿絵:かわらべ

¥1,480(税込み価格)

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レビュー投稿者:ププププーさん様

昨今ゲームブックは様々に登場しており、空白期間といえる時代から比べると入手しやすくなっています。
でもファンの大半は思っているのではないでしょうか。かつてゲームブックブームのあった頃のようなファンタジーゲームブックの新作を遊びたい。 このジャンルに手をつけているのは現状でFT工房が最大手といえます。

特に極上のファンタジーを味わいたいのならば、「ミラー・ドール」はうってつけのゲームブックといえるでしょう。
不気味ながらも愛着の湧いてくるドール、奇妙な風習を持つ異種族、様々に物珍しい品々、そして恐ろしい敵と陰謀。 日常では味わえない極上のファンタジーは項目数400というゲームスペックの中に込められています。
未だ完結していない杉本=ヨハネの作り出した「ミラー・ドール」のシリーズはどのような結末を迎えるのでしょうか。 続編も登場しているこのシリーズ、冒険する楽しさと強いメッセージ性を感じさせてくれる事でしょう。

ゲーム自体は簡潔明瞭なシステムです。サイコロ2個を使用しますが本の中に印刷されていますから遊ぶためには不要でもあります。 メモ程度の紙があれば簡単にこの世界に入り込む事が可能です…が、帰ってこられる保障は何所にもありません。

王に命じられて不思議な島へ足を踏み入れる「君」。待ち受けているのは奇妙な連中と恐ろしい敵、そして不思議な出来事の連続です。
敵の中には凶悪な存在も潜んでいて、まともに戦えば最強の「君」でも勝利はおぼつかないようなのも存在しています。 ですので工夫して戦うことが肝心なのですが、このゲームブックの大きな特徴としては「君」の能力が最低でもクリアする為の抜け道は用意されているのです。
幅広いゲームブックとしての遊び方が隠れている作品なのです。当然意地悪な罠もあり、たった一度で本書を攻略する事は不可能でしょう。


私個人は、このシリーズのテーマが命を生み出す苦しさではないだろうかと考えています。

これまで幾つかのソロアドベンチャー等の実験作を発表してきた杉本氏ですが、本書はヨハネ節とでも言うべき独特の世界観に包まれ、メッセージ性の強い作品となっております。
ゲームブックとしての難易度だけでは無く物語性も強く、実に良く出来た作品です。

「君」は冒険の中で様々な出会いをするのですが、その中には命を生み出そうとする瞬間が待っています。 本書のタイトルにもなっている「ドール」は「君」の力を分けて命を吹き込まれた人形、その種類は様々で特徴も様々です。鱗に覆われたアクア・ドール。 金貨を吐き出すコイン・ドール、空を跳ぶことが出来るバード・ドール等。彼らを仲間にして旅を続ける事で、「君」は新たな運命を得る事になるのです。

でも。

ドールは何時までも忠実なわけではありません。貴方が命を分け与えても、ドールは生きている以上自分の意志を持ち始めているのです。 生み出さなければ良かった、荘思う瞬間が来ないとも限らないのです…。

このゲームブックをクリアする時「命を生み出す苦しさ」は重くのしかかってくる可能性があります。 でも、その重さこそがヨハネ節の真骨頂、是非お楽しみ下さい。続編の「混沌の迷宮」でもそれは最大限楽しむことが出来ます。

ドール以外にも仲間となってくれる存在はいます。
騎乗動物がそれで、購入したりする事で手に入れられますがドール同様代わりに戦ってくれることもあります。 あまり強くないのですが「君」の戦闘状況によってはゲーム攻略に大きく影響することもあるでしょう。私はかなりお世話になりました。
ゲームブックの難易度としては高めだとは思いますが、能力値の高さが必ずしも重要では無い側面があります。 低くてもクリアは可能なわけで、私個人としては、一度クリアしても能力値を低く設定して遊ぶ事で新たなミラー・ドールの世界が見えてくると思うのです。

サイコロを誤魔化さないで遊んだ方が楽しい作品だと思いますよ。